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2008.04.26 (Sat)

桜 舞い散る春の宵に 蘇る思い出

 桜の季節が終わる4月中旬になると、心に浮かんでくる遠い思い出が有ります。
ほの暗い食卓の電灯の下で佇んでいる母の思い出。

 私の母は誰とでもすぐ仲良くなってしまう明るい性格で、本人も皆を集めて騒ぐのが大好きでした。だから実家には親戚や両親の友人が集まる機会が多く、私が思い出す母の姿も、いつもたくさんの人に囲まれて笑顔を振りまいています。

 でも、1度だけ母が一人きりで寂しそうにしている風景を覚えています。
それは今から20年以上も昔のこと。

 私は高校生で、その日はテスト直前の一夜漬けのために遅くまで起きていました。夜中に水を飲みに台所に行くと、一つだけ暗い電灯をつけた食卓の傍らに母が座っています。

 「どうしたの?こんな遅くに。珍しいじゃない。」

 そうやって声をかけると母はこちらを向き、少し微笑んで言いました。

 「ほら、この間、あたしの誕生日だったでしょ。もう45歳だねぇ。」
 「うん、そーだね。」
 「44っていうと若いけど45だと・・・・もうオバサンだよねぇ。」

 そして母は「さて、もう寝よう寝よう。」と言い、無言の私を残して寝室に引き上げていきました。

 当時の私は将来の志望も決まらず、漠然とした未来の重さに耐えかねて立ちすくんでいる十代で、自分のことに精一杯。だから とっさには母の思いを受け止めることもできず、口をつぐんで その背中を見送るしかありませんでした。

 でも、そのころの母の年齢を超えた今ならば、その背中に向けて言えなかった この言葉を掛けてあげることができる気がします。

 「いや、あのさ、44だろうが45だろうが、
  高校生から見たらどっちも充分にオバサンですから。ヾ(^_^;) 」

 ちなみに母は70歳を超えた今でもバリバリに元気で、今年の連休は友人を引き連れてニューヨークにミュージカルを見に行くそうです。

mother.jpg

静岡市 大石歯科医院

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